pandora (1~2)
Suite KooDoo
#19〔pandora /1〕
2013年4月10日
レベルキャップ開放(lv60)
彼女が10某に来たのが、4/12。おれと同じく、姉様のスカウトでの入団だった。
初めてPTを組んだのは、4/18。DF腕。その時にはもう、彼女のレベルは59だった。
その生粋のガンナーは、ずっとソロで、祭壇のパラレルを掘っているとのこと。
・・・・・・
初めてその名と姿を見た時、カルドセプトの同名のスペルカードが脳裏に浮かんで
そのボイスが同時に、再生された。
凛々しいその姿はまるで、凱旋する戦乙女のようで。
強くてしっかりとしたそのプレイを見ながら、なんだか、10某に入る前の自分のような人だな、と思った。
きっと、自分一人で何するのにも困らないから、知り合いを増やす必要も無く、ずっと一人で居たのだろうな…と。
―彼女がこの後3年以上、PSO2だけではなく様々なゲームでおれのパートナーとなってくれたPである。
2013年5月
緊急以外のメインコンテンツは、未だアドしかなく。
RaHu,Fo全盛の時代。Gu×の時代。
本当に、やる事が少ない時期だった。
おれと同じく旧PSOからのプレイヤーで、かなりゲーム慣れしているくせに、チームには馴染もうとはしていない様子のPを、おれはこっそり気にしていた。
しばらく経っても同じような感じだったので、また、このチームに来てはならない人が来たなあ…と思わずには居られなかった。
一方のおれは、10某に入って、半年が経とうとしていた。
今ではもう一人で潜る事はほぼなく、いつも誰かと一緒だった。潜らなくても毎日、誰かしらと楽しいチャットをしていた。10某の一員として、毎日を過ごしていた。
楽しい毎日。けれどRはほとんどinすることがなく、inしてもソロTA祭壇に篭っていて、寂しい毎日。寂しいから10某を抜けなければと思いつつ、寂しいからそこに居るような、そんな状態だった。
当時やれる事といったら、アドか走破で。
けれど当時のアドはGuにとって辛い世界で、Pによれば、職無指定の野良アド部屋に参加しても、直後に無言キックを食らったことがあったりもしたそうだ。
話もせず、4s属50のヤスミ9kMにスティ付き4~5sのアグラネ装備を蹴るなんて、野良は恐ろしいところだ…と戦慄した記憶がある。
そして、おれの周りには、BさんやL。他何人も一緒にアドをやる仲間が居て、なかなか一緒にアドをやれる機会が無かった。
アドと走破を一緒の面子でやる事も多かったのだけれど、Pは、走破はソロでやるから、と、こちらの誘いを断るのだった。だから、アドもなかなか上手く誘えなかった。
2013年5月15日
新クエスト エクストリームクエスト(エクス)追加
"より過酷な状況下での戦闘能力を測るため、擬似再現された空間内でさまざまな課題をクリアしていく上級者向けのクエスト"
このクエストなら、Pと一緒にやるのにうってつけだと、おれは思った。
そして当日、しつこく誘って一緒に行った。
実際プレイしてみると、特になにか難しいクエでもなく、淡々とクリアしていくだけの、つまらないクエストだった。
そして、エクストリームパスの枚数は少なかった。毎日一緒に周回したりなんて、とてもできるものではなかった。
とても残念に思った。
こんなふうに、誘える積極的な理由が全く無く、接点をもちづらく。
深刻なコンテンツ不足に立ち向かうことが出来ず。
日々だけが淡々と過ぎていった。
#20〔pandora /2〕
2013年7月17日 Code:EPISODE2始動
ガンナー新スキル「SロールJAボーナス」、新PA「ヒールスタップ」追加。
この日からGuは、アド不遇の時代から一転、高火力職として生まれ変わることとなる。
2013年7月下旬
10某離脱の日。
その時10某では、オルグブラン討伐のエリア2をチームでまるぐるしていた。
珍しくそのまるぐるにPが参加していたから、途中からではあったが参加することにした。
そしてこっそりと、心の中で別れを告げた。
2013年8月
10某を離れたおれは、徐々にではあったが、Pに声をかけるようになっていた。
一緒にインラン走ってみたり(インタラプトランキングはTAの他、1時間内のボス撃破数等を競うものもあった)、エクストリームクエストのブーストデーに一緒に、wikiに載ってないドロップがあるに違いないと周回してみたり。
昨年のPはまだ仕事が忙しくなかったのか、inしているのをよく見かけていたし。
なにより、一人でしか潜らない人なのがわかっていたから、すごく声がかけ易かった。
何時の間にかPは、愛銃をヤスミ9kMから、パンドラエクストリームに変えていた。
それは、当時はまだアド市街地(かパラレル)のレアエネミー(プレディカーダ・ネロ)からしか出現しないレアアイテムで、すごく出難くお高い双機銃。
当時はまだ、(属性を上げる為に同じ武器を合成していくのだけれども、同じ武器の同じ属性30以上でも)1本合成しても3しか上がらないマジキチ仕様だったのにもかかわらず、Pのパンドラは、属性50であった(この後ぐらいで1合成で+30ぐらいに緩和された)。
ロビーに佇んでいる時も肌身離さずそれを装備していたから目立っていたらしく、とあるフレンドはPと面識が無かった頃から、彼女の事を"パンドラマン"と呼んでいた。
(なのでここでも、Pと表記することにした。)
パンドラエクストリームは、SHアド砂漠がリリースされエレヌトレーガーが出るまで、ずっと彼女の愛銃であった。
2013年10月9日 レベルキャップ解放(lv65)
クエスト難度「スーパーハード」追加
2013年10月23日 新緊急クエスト
「トリックオアトリート2」配信
SHリリースしたての頃は、Foでは完全に火力不足、Raでは敵の素早さに火力が追いつかなくて。故に半年以上ぶりに、おれはGuを再開した。
主戦力とするために、それまで貯めた魔石で、☆11双機銃「不知火星」を入手した。
緊急がある時は過密ブロックに行くとPが居たから、一緒に行っていた。
いつからか、緊急に行く時にはPが居るブロックに移動するようになっていた。
Pは全身ぴかぴかのSH装備(グワンイング5s、ただしスタミナ盛り)になっていて、おれはそんな彼女に、再開したてのGuについて、いろんな事を質問しまくってた。
なにより、側でその動きを見られることが一番勉強になっていた。
同じチームに居た時よりも仲良くなった様な気がしていたけれど、おれは、それをどうしたらいいかわからず。
時々そのアークスカードを眺めて、相変わらず10某なのを見て、どうしたもんかと考えていた。
きっと、自分一人で何するのにも困らないから、10某に居る理由は無いのだろう。けれど、一人で居る事に困っていないから、抜ける理由も無いのだろう。
そこを変えるつもりが本人に無いのならば、おれがなんとかしなければならないのかな、と。
…おれがなんとかする前に、本人がおれの手の届かない人の所や知らないチームに行ってしまえば、諦めがつくのに、と。
2013年11月下旬
大体Guの動きに自信を持てるようになってきていた、そんなある日の、ダークファルスエルダーアーム(DF腕)戦。いつもの様にPと一緒で、いつもの様に20分まで一緒にDF腕を回していた。
それはその中の、ほんの数秒の出来事だった。
乱戦の中、DF腕の弱点至近、その瞬間、その一点で、おれの空中メシアとPの地上メシアが…ゆっくり重なっていた。
…その光景が………あまりに綺麗で……
おれはその後、呆然としてしまっていた。
空間を支配し、全てがスローモーな世界の最中、双銃と舞い踊る二人のキャスト。
多分おれは、この光景をPSO2の名と共に、ずっとずっと、覚えているだろう。
…当時のPが、地上からでしか前ロールメシアを撃てなかった、という事実を知ったのは、それからずっと後になってからだった。
* メシアタイムは前ロールから発動しないと全段至近命中しない。DF腕の弱点は少し浮いている為、空中前ロールメシアがポピュラー(この時は弱点がやや下がってた)
なんだかちょっと幻滅したけれど、まあいい。
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