勝手な失望(2~3)
Suite KooDoo
#17 〔勝手な失望/2〕
居場所が欲しかった。
けれど、元からそんなものは何処にも無かったのだ。昔も今も。
ただずっと、何処に居ても、居心地の悪さがあるだけなのだ。
何もしないのが一番良い。間違いない。
2013年8月
アドはほどなくオワコンとなり、新緊急ビーチウォーズはレアの出が渋く、且つ結晶堀り緊急でつまらなくて(当時、おれがPSO2の中で一番やりたくない事が結晶であった。二番目が、まるぐるであった)。
なにをしたらいいかわからず、わからないものを追求するだけのやる気もなく、沈んでいく自分を感じていた。
そんなある日。
使っていたxboxパッドが、壊れた。
常々、パッドには様々な限界を感じていた。外部プログラムを使わなければステップ至難だし、肩越し視点はどうやってもマウスの方が操作し易い。けれどそれまでキーボードでゲームしたことが無かったから、なかなか踏ん切りをつけられずにいた。
RもLもキーボードユーザーで、彼らが普段どういう風にやっているかを聞いていて、パッドが壊れる前から、Rと同じゲーミングマウスを買ってはいた。
どの動作をどのキーに割り当てるかは、Lに教わり、そのまま真似してはいた。だから、パッドが壊れたのを機に、このままキーボード操作に移行する決意をした。
一人きりなのをいいことに、ロビーですらマトモに動けないのを必死で操作していた。
心は勝手な失望の中。
操作は移行するのに必死で、必死にしても上手く出来ない。
ゲームは何をしていいかもわからないし、やる気も出ない。
このままこのゲームをやめてしまえば、全てのしがらみから解き放たれて、楽になるだろうか?そんな事を、考えていた気がする。
彼女と出会ったのは、丁度、そんな頃だった。
はじまりは、グッジョブだった。
面識の無いチムメンの人からグッジョブが入っていた。
どうやら、走破好きな人らしい。おれがチームのHPの自己紹介で、毎日走破やってる事を書いてたから、グッジョブしてくれたようだ。
何と返していいかわからず、「近いうちに一緒にしましょう」などと、無難な返信をした記憶がある。
その返信では『はやそう』とか『ステップできたりします?』と書かれてあったので、「自己流だからはやくないよ」「できるけど、ナックルダッシュしてる」と返信すると、次の日のグッジョブには、『私はオートランでチャットしてる』とか書かれてあった。
一度も一緒した事ないのに、なんだか普通に話せて、嬉しかった記憶がある。
今も仲良くしてくれるDさんとの馴れ初めは、そんな感じだった。
それからというもの、ちょくちょく一緒に走破していた。
当時はまだDさんは1キャラしか居なかったから、なかなか一緒にできなかったけれど、一緒にTAしたり、チャットしたり…楽しかった。
Dさん以外でも。わく某の人たちはみんな仲良くしてくれた。
#18 〔勝手な失望/3〕
2013年10月
―誰かに願ってはいけない。特別な人を、作ってはならない。
おれは、サポートパートナーを愛でるようなロールプレイをしながら失望していればいいのだ。
そうすれば、誰にも迷惑を掛けることはないし、寂しくない。
"…いいんだ。望んだものは、既に得られた。あの瞬間、確かにおれは、幸せだった。"
けれどDさんはこんなおれにも優しくて、人懐こくしてくれて。
Dさんや皆と一緒にプレイしていくうち、何時の間にか、キーボードでの操作も普通に出来るようになっていた。
相変わらず(…今も)走破アムドゥスキアの上のスイッチを押すのは苦手だけれど、それ以外はほぼパッドを使っていた時と同じに動けるようになっていた。
更に、キーボード+ゲーミングマウス操作になったことにより、各種ステップや肩越し(FPS視点での精密射撃等)は、パッドの時より手軽に正確に出来るようになっていた。
わく某の募集に乗ってクエをすることも多かったけれど、おれが自発的にやる時の面子は、10某で仲が良かった人に声をかける事が多くなっていた。
10某に居た頃は、LやBさん以外とwisで話す事は無かったのだけど、色々な人にwisしたり、チームルームの代わりにマイルームでよく話すようになって。TAやアドやエクスの面子が足りない時に気軽に声をかけ、誘うようになっていった。
10某に居たときに仲良くしてくれた人は、移籍してからも変わらず仲良くしてくれた。
なんだか、チームに居た時よりも仲良くなれた気がした。
(その関係は、今もずっと続いている。大切な、おれの仲間達。いつも有難う。)
Dさんは、おれとも仲良くしてくれたけれど、そんなおれのフレンド達とも仲良くしてくれた。
おれにはそれが本当に嬉しかった。
Rと一緒にアドしてくれたりもしたし、ポケモンの話したりで盛り上がってくれたし。
…ずっと自分は、一人で居るのだと思っていた。
サポパの側で、失望していなければならないのだと思い込んでいた。
でも、気がつくと周りには、信頼し合える仲間が居た。
スタンスが多少違っても、無理無く気楽に一緒にプレイしたり、チャット出来る仲間が。
おれは、そんなDさんや皆が大好きで。
けれど、自分の想いを押し付けたりはもう、したくはなかった。
だから、自分の出来る限り、皆を大事にすることにした。
護りたかった。
拙い己でも出来うる、最良の選択肢をいつも考える。
『今の動き…適切だっただろうか。
おれは最善を尽くせただろうか。』求めるは、己の役割を果たせるだけの腕と、信用を得られるだけの強さ。
格好は、悪くていい。レアアイテムも欲さない。
信頼とか絆とか…そういう、恥ずかしくて、形の無いものが欲しい。
…それらが有限のものだと判っていても、おれは此処で生きていることを後悔しない。
(わく某HPに載せていた自己紹介より)
2013年10月23日
新緊急クエスト「トリックオアトリート2」配信
このまるぐる緊急のチーム募集で、例えば16人挙手があった場合、わく某では募集も野良も無しで8人の部屋を2部屋立てていたりしていた。
それじゃまるぐるをチームで集まるメリットが無いとおれは思ったし、他のチムメンもおれと同じ様に思ったらしく、マスターに直訴していた。
けれども、おれが居る間、それは変わらなかった。
なのでおれは、人数が足りない時以外は、チームの募集には参加しなくなっていた。
過密Bで待機して、同じBにいるフレを誘ったり、一人で行ったりしていた。
それについては、10某に居た頃はほぼそうだったから、何も気にはしなかった。
チームは常に50人以上居たし、チームで行きたい人が優先的に行けばいい、そう思っていた。
自分は下っ端だし、自分が変わり者だという自覚は十分にあったから、チームの方針と自分のスタンスが違うなんてことは当然だと思っていたし、それを気にするほど、当時の自分の意識は外には向いてはいなかった。
このまるぐるの目玉の一つは、ヴァーダーソーマからのレアアイテムだった。
故に、マップをぐるぐる回らず、ソーマのわくポイントを往復したりして、出来るだけ多くのソーマを討伐する方法が流行していた。
ある時チムメンの一人が、その方法で人を集めて周回するけど参加しないかと、おれやDさんに声をかけてくれた。
おれは、ただのまるぐるよりずっと面白そうだったし、Dさんがそのレアを頑張って掘っていたのもあって、即OKした。
しかしその後、わく某のマスターは、チームよりもフレンドやツィッター優先で人を集めて緊急をするなと、そのチムメンに注意していた。
マスターという立場上、そう言わねばならなかったのかもしれないのは察するけれど、それでもやっぱりおかしすぎて。
おれは、そのチムメンが自分自身で、そのやり方でやってくれる人を集めたのだし、それは何もおかしなことではないし、なんでもチーム最優先ってのはないだろうと反論した。
結局そのチムメンは、その出来事の直後、チームを脱退した。
そのチムメンは、脱退後、仲良い人達と新しいチームを立ち上げた。
わく某でも彼女と仲良かった人達は皆、そのチームへと移籍していった。
Dさんも誘われたらしく、悩んでいた。
おれは、どうするにしろ、Dさんの側に居ると伝えた。
Dさんは何日も、ちゃんと悩んで、そうした結果、移籍を決めた。
だからおれは一緒に、わく某を抜け、移籍した。
それから、を語る為に、再び過去に遡る必要がある。
か細いながらもずっと気にしながら、長い間どうにもできなかった、そのひととのことを。
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