移籍

Suite KooDoo
#14 〔移籍/1〕


2013年2月下旬

Rが側に居なくなって、寂しくて、悲しくて。

だから、別の船か、別のチームに移籍しようと思っていた。

もっとガツガツ潜る所に居れば、孤独を感じる事もなかろう…と。


…それから…


Bさんと一緒にアドを頑張るようになって、レベルキャップ解放アップデートで一時的にRと一緒にプレイできて嬉しかった。

けれど、すぐにRのレベルはカンストしてしまって、また一緒にできなくなった。


今度こそ寂しくなるかと思ったら、Lと出会った。

BさんとLとのアドやTAは、楽しかったなあ。

側に居たかったけれど、居られないこともわかっていた。

彼女が、しかるべきスタンスの人たちの元へ向かうまでは、見守りたかった。


・・・


そして…6月下旬。

無事、Lは10某を離れていった。


2013年7月17日 

Code:EPISODE2始動


おれとBさんは共に新種族であるデューマンで新キャラを作った。

おれの新キャラ、♂か♀かで迷ったものの、結局、着る服やアクセサリーの数を考慮し、♀となった。

第三曲 御雷(みかづち)の誕生である。

動くことを決めてから、既に4ヶ月以上経っていた。

Bさんと二人でサブキャラのレベリングやTAをしながら、細々と話す日々が続いていた。

寂しいから10某を抜けなければと思いつつ、寂しいからそこに居る、そんな状態だった。


チムチャで盛り上がり、チームルームやマイルームで語り合う、楽しい10某の仲間達。

おれは、みんなが大好きだった。みんなと話す事も、大好きだった。

今だって変わらず、大好きだ。


けれども、RやLが居なくなった後、固定面子でアドやTAをやる頻度は激減していた。

一緒に出来そうな人はアドに適合せず淘汰されたり、コンテンツ不足でログインしなくなり。新規のチムメンが入っても、自分と合致するようなプレイスタイルを持つ人はほとんど居なかった。

ただ、おれは、チームのそういった事に不満を持ちたくはなかった。

皆それぞれ、やりたい姿で楽しくゲームをやっているのだから、そこに合致しないおれこそが、チームを抜けるべきだ。そう思っていた。


Bさん以外誰にも、その事は言わなかった。

以前姉様がチームを抜けると言った時、古参全員で引き止めたことがあった。

多分その時のようになるだけで、何も変わらないだろう、と思った。

もしそうではなくても、自分が原因でチームが変わるのを、おれは望んではいなかった。


#15 〔移籍/2〕
2013年7月25日

数ヶ月ぶりに、10某のTPランキングが一位ではなくなった日。

わく某のマスターに、移籍願いのグッジョブを出した。

次の日ログインすると、マスターからフレンド申請されていた。


その時10某では、オルグブラン討伐のエリア2をチームでまるぐるしていた。

最後だからと、途中からではあったが参加することにした。

仕切ってくれた人には申し訳ないけれど、マップも敵選定もなにもせずのMAPは、回りにくく、うまみがなかった。

今でも覚えている。入り口→4ブロ→十字-左1マス・右2マス・上出口。酷いMAP。入り口まで回ってもわき復活してたのか微妙で。バーストしても出口でやるわけでもなく、何故やっているのだろう、と思わずには居られなかった。

しょんぼりしつつ、心の中でひとりひとりにお別れをしながら、まるぐるした。

終了後、わく某のマスターとアポイントをとり、そして、移籍した。


リダと、その日inしてなかったBさんにはメールを送ったけれど、それ以外は一切誰にも何も言ってなかった。

(移籍した日に部屋にかえってきた姉様が、一番早く気付いていたようだったけれど)

それで、おれは事後ではあるけれど、10某の掲示板にこう、書き込んだ。


 何も言わずに抜けてしまって申し訳ない。
 何を言うにも水臭い気がして。


 チームに何か不満があったわけではないし
 チームの皆が大好きで、離れたくなかった。
 このゲームがチャットだけで出来ていたならば、ずっと此処に居たよ。
 楽しく、心温まる時間だった。


 俺には、ソロではなくPTで、ちゃんとしたプレイをしたいという願いが常に在った。

 皆と交流する為のプレイも良いのだけれど

 ちゃんとしたPTプレイもやりたかった。

 そしてそれら二つをチーム内で両立させることが、ここ数ヶ月難しくなっていた。

 それは別にチームがとか、チームの人が原因ではなく。

 ただ、皆と俺とのプレイスタイルの違いが原因。


 けれどプレイスタイルなんて人それぞれで当然。

 どうか俺に構わず、ありのままであって欲しい。


 長い間、チームの皆には本当にお世話になりました。

 感謝の言葉もないほど。本当に、本当に、有難う。

 自分で抜けた癖に、その自覚がない位に、まだ心が此処に在るのを感じる。


 チーム抜けてもずっとフレンドだ。

 マイルームで今までと変わらず、他愛の無い話しよう。

 何かあったら(何も無くても)一声掛けて。

 TAする相手が居ない!とかでも全然良いよ。